日本 VS コスタリカ レビュー

昨日のコスタリカ戦について書いていきます。

 

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日本は4231に近い442、コスタリカは532の形でスタートしました。

 

コスタリカは541のイメージが強いですが、韓国戦では4バック、日本戦では5バックの2トップという今までの印象に無いフォーメーションを試してきました。

中盤としては、3枚でスライドして守るシーンと、前線の1人が下がってきて4枚で守るシーンの2つがありましたが、約束事が決まっていないようで、スライドが間に合わなかったり逆サイドの守備がルーズになってしまうシーンもあり、WBの守備時のポジショニングも整理されていなかったように見えました。

基本的な5バックの守備として3CBの内の1人は相手の落ちて受けようとする前線の選手に対して強くプレッシャーをかけるのですが、日本にはダイレクトプレーなどを使って1枚ずつ剥がしていきます。日本がそこまで上手くビルドアップ出来ていた訳ではなかったですが、南野、堂安、中島はボールキープが出来ていたので、コスタリカの守備はハマらずこの3人を捕まえきれていないように見えました。

後半前線のプレスと中盤のマークが少しルーズになったので日本の攻撃が少しずつ良くなったと思います。

 

攻撃においては、WBを使うシーンを狙っていたように思います。WBは日本のサイドバックとサイドMFの中間ポジションを取り、浮いた位置で受けるシーンが何度かありました。一度は日本のサイドバック周辺で受けるシーンもあり、そのシーンは守られてしまいましたが良い狙いだったと思います。

 

 

次に日本ですが、森保監督が得意とする3421の可変システムではなく442でスタートしました。多くの選手が各クラブで起用されているポジションでの起用となったので、スムーズに試合に入れたのだと思います。

日本もコスタリカと同様、守備時の決まりごとは少ないように見えました。前線の2人がCB3人をチェックする形になるので追いきれないシーンもあり、堂安と中島が前にきてプレスをかけるシーンも多くなかったので、CB1人にフリーで受けられてしまうシーンがありました。コスタリカが韓国戦を4バックで戦っていたためそれを想定した守り方だったのかもしれませんが、状況に応じた守備も必要になってくると思います。ただ、コース切りが上手くいってハメることが出来ているシーンではDF陣が前向きにプレッシャーをしっかりかけてインターセプト出来ているシーンも多かったので、その点は素晴らしかったと思います。

攻撃面ではビルドアップから青山や遠藤がいいポジションを取ることで縦パスを入れる事ができていたので、良かったと思います。ただ、前半は個々のポジショニングが悪いシーンがあり、上手くビルドアップ出来ていませんでした。CBからのフィードは少し少なかった印象もあるので、そこは改善できるポイントだと思います。

縦に速く入れるシーンも多くありましたが、時間をかけてサイドチェンジをして相手を動かすようなプレーが増えてくるともっと幅のある効果的な攻撃をすることができるようになります。532は中盤のスライドが難しいのでそこをつく事が出来ればもっと楽に攻撃を組み立てられていたと思います。

 

ゴールを決めた南野は様々なシーンに顔を出して攻撃に推進力を与えてくれていました。本来のポジションでの出場となり実力を発揮できていたと思います。ゴールシーンは一度ボールを止めることで相手が股を開けた瞬間にシュートを打てるように調整しています。股を抜くシュートを狙えていることはゴール前で冷静であり、技術の高さを証明するようなプレーだったと思います。大きな成長を感じさせてくれたので、これからに期待です。

また、この試合で特に良かったのは中島です。ボールを受ける前の動きが良いので、良い状態で受けることができ簡単に前を向いて勝負が出来ます。ドリブルで相手を剥がすシーンが幾度もあり、チャンスクリエイトの部分で大きく貢献していたと思います。

ゴールを決めた伊東選手も今シーズン素晴らしいプレーをしている選手です。ボールを受ける前の動きが格段に向上しているので、スピードや技術がより生きるプレーが出来るようになっています。ドリブルで仕掛ける意識も持っていて右利きながら左足でも良い精度で蹴ることができるので、堂安選手との今後右サイドのレギュラー争いがかなり白熱すると思います。

 

日本全体としてはボールを奪ってからのスピード感があり、攻守においてトランジションの部分はかなり意識していたように見えたので、トランジションの速さという部分が昨日の試合ではチームとして一番良かった部分だと思います。

 

 

日本は若い選手達が躍動するゲームとなりました。今後、今回のメンバーとロシアW杯のメンバーとのレギュラー争いが過激になっていくと思いますが、若い選手にはロシアW杯のメンバーを蹴落とす覚悟でプレーし、遠慮して本来の力が発揮できないような事はないようにして欲しいです。ロシアW杯のメンバー達は素晴らしい技術や戦術眼をもった選手が多いので、自らの特徴を生かしたプレーをして欲しいです。

 

 

今回はこれで以上となりますが、これから「どういったメンバーでどのようなシステムで戦うのか」などに注目していこうと思います。